日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【朝顔】」です。

 

英語名は、「ジャパニーズ・モーニング・グローリー」「朝の誉れ」

この植物は、夏の朝に毎日規則正しく、すがすがしい花を咲かせます。英語名は、「ジャパニーズ・モーニング・グローリー」であり、「朝の誉(ほま)れ」とでも訳すような名がついています。「なぜ、この植物に『ジャパニーズ』がわざわざつくのか」との疑問がもたれますが、古くから私たちの身近にあったアサガオは、アジア原産で、江戸時代に、日本で品種改良が行われたものです。

それに対し、この植物にはアメリカ原産のものがあり、近年、それらには「西洋」や「アメリカ」という語句がこの植物名について、ヘブンリーブルーやソライロアサガオという品種名でよく栽培されています。日本産のものは、7月ごろから花を咲かせはじめますが、これらの品種は、9月を過ぎてから咲きはじめます。咲きはじめは遅いですが、多くの場合、11月下旬から12月初旬まで咲き続けます。

アサガオは、夜が長くなると、ツボミをつくる植物です。だから、自然の中では、夏至を過ぎて夜が長くなると、ツボミをつくります。「ほんとうに、夜の長さを感じてツボミをつくるのか」と疑問に思われるかもしれません。この疑問は、簡単な実験で確かめることができます。

アサガオの芽が出たばかりのふた葉の株を二鉢準備し、一日中、電灯で照明した場所で育てます。電灯をつけっぱなしの照明下では、長い夜がないので、いつまでもツボミはできません。そこで、ある日、一方だけに段ボール箱をかぶせて、夕方から朝まで長い暗黒を与えます。その後、再び両方とも、一日中、電灯で照明した場所で育てます。日が経つと、ただ一回、段ボール箱をかぶせられて長い夜の暗黒が与えられたほうだけに、ツボミができます。芽生えに段ボール箱をかぶせて夜の暗黒を与えても、その長さが短い場合には、ツボミはできません。だから、芽生えは、夜の暗黒を感じてその長さをはかり、ツボミをつくることがわかります。