来る2023年、中公文庫は創刊50周年を迎えます。その記念プレ企画として、本連載では「50歳からのおすすめ本」を著名人の方に伺っていきます。「人生100年時代」において、50歳は折り返し地点。中公文庫も、次の50年へ――。50歳からの新たなスタートを支え、生き方のヒントをくれる一冊とは? 第22回は、イラストレーターの南伸坊さんに伺います。

南 伸坊(みなみ・しんぼう)

1947年東京都生まれ。イラストレーター、装丁デザイナー、エッセイスト。東京都立工芸高等学校デザイン科卒業。美学校で木村恒久氏、赤瀬川原平氏などに学ぶ。雑誌『ガロ』の編集長を務めた。『ねこはい』『私のイラストレーション史』『生きてく工夫』『あっという間』など著書多数

面白いとはどういうこと?

私は勉強が苦手です。それから読書も、勉強のようなものだと思って苦手です。
が、本によっては、時々とても面白い時がある。

こんな時はどんどん読書がすすんで、寝る間も惜しんで読んだりするので、どうも不思議だなと思っていました。

この歳になると(今年後期高齢者になった)勉強だって時には面白いと分かっています。いままで苦手だったのは、興味を持つ前に勉強の方から立ちはだかるからなんでした。

面白いというのは、私の考えでは、自分なりにとらえた世界というものがまずあって、その世界が新たに広げられるような時に、おとずれる感情のようです。

既にわかりかけていたことを、更にわかり直す。面白いという感情は、つまり「わかり直した」ときにあらわれるものらしい。