「うちらは旅回りの一座に生まれて、3歳から舞台に立ってました。両親は全然仕事をしてなかったから、きょうだいで頑張らないかんという思いがいつもあってね」(撮影:霜越春樹)
「♪うちら陽気なかしまし娘~」のテーマソングでおなじみ、姉妹ならではの息ぴったりな掛け合いで絶大な人気を博した漫才トリオ「かしまし娘」。結成から66年、3人のこれまでと今を、三女の花江さんが語ります(構成=上村悦子 撮影=霜越春樹)

3歳から舞台に立ち、家計を支えて

姉妹漫才トリオ「かしまし娘」として可愛がってもらってたのは、もう四十数年前です。うちらも、長女の歌江姉ちゃんが92歳、次女の照枝姉ちゃんが89歳、三女の私が86歳。3人合わせると……267歳ですか。あらためて聞くとすごい年齢やけど、解散後もそれぞれに俳優やタレントの仕事をさせてもらってきて、私はまだまだ現役です。

今、歌江姉ちゃんは車で5分ほどのところに、照枝姉ちゃんはうちの一軒おいて隣に住んでいます。歌江姉ちゃんはこのところ体調を崩してて様子が気になるけど、コロナ下やし迷惑かけたらあかんから、ここ半年ほどは会いに行けてません。代わりに義兄が時々うちに寄って元気にしてるか知らせてくれるんで、いくらか安心です。

照枝姉ちゃんはすぐそばで一人暮らしやから、毎日顔を見に行ってます。元気や言うても89歳やし、気になるでしょ。私も夫を亡くしてからずっと一人暮らしで、普通なら人にのぞいてもらわなあかん年齢。大きな病気もしないし、自分では全然年やと思ってないんですけどね。

そもそも、今こうして元気にありがたい生活をさせてもらってるのは、姉2人のおかげなんです。うちらは旅回りの一座に生まれて、3歳から舞台に立ってました。両親は全然仕事をしてなかったから、きょうだいで頑張らないかんという思いがいつもあってね。

最初は姉2人が少女漫才をして、私だけ別の一座で歌を歌っていたんです。親もいないし大人に交じっての旅回りだったから、いじめられてそれはつらかったですよ。