日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【楓】」です。

 

「カエデ」の語源は「カエルの手」

北アルプスなどの高山では、きれいに黄葉するのはダケカンバであり、紅葉するのは、ナナカマドです。一方、私たちの身近で、秋にきれいに黄葉するのはイチョウですが、紅葉する代表はカエデです。

「カエデ」の語源は、あの葉っぱの姿です。よく「赤ちゃんの手」のような形容が使われます。しかし、昔の人はあの葉っぱの姿や形を「赤ちゃんの手」よりは「カエルの手」に見立てたのです。だから「蛙手(カエルデ)」を経て、「カエデ」となりました。

このように説明されると、葉っぱの切れ込みが四つあり、五列に葉っぱが分かれているような印象がもたれます。しかし、実際にカエデを見てみると、そうではありません。七列に分かれているものや、九列に分かれているものが多くあります。