日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【松葉牡丹】」です。

葉っぱの形が名前の由来
マツバボタンの葉は、長さ1~2センチメートルの肉厚で、見るからに乾燥に強そうです。葉っぱの形をマツの葉に見立て、花びら5枚の花をボタンの花にたとえて「マツバボタン(松葉牡丹)」の名になっています。
夏の朝早くには、ツボミは閉じていますが、10時ごろに、赤、白、黄色などの花がいっせいに開きます。一日花(いちにちばな)なので、夕方には、花は萎れます。でも、毎日、一株に多くの花が咲くので、花壇やプランターでよく栽培されます。
「ポーチュラカ」の名前で市販されている品種がありますが、「ポーチュラカ」はマツバボタンの属名です。ポーチュラカの葉は丸みがあり、マツの葉と似ているようには思えないので、マツバボタンといわず、「ポーチュラカ」という名前が使われています。