日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【藤袴】」です。

絶滅が危惧されるフジバカマ
秋の七草に詠まれているので、名前はよく知られています。園芸店に行くと、フジバカマとして売られていることがありますが、ほんとうのフジバカマは絶滅が危惧されるほど数が減っています。
多くの場合、フジバカマとサワヒヨドリの雑種で、沢フジバカマといわれます。
フジバカマは、夏から秋にかけて、房をなすように集まって、淡い紅色がかった紫色の小さな花を咲かせます。この花の色が、フジ(藤)の花に似ており、形が袴(はかま)に似ていることが、この植物名の由来です。
茎や花は乾燥すると、「クマリン」という物質の香りである桜餅の香りがします。そのため、古くは、日本や中国で、芳香剤として使われていたようです。

フジバカマの花(写真提供:Photo AC)
フジバカマ(藤袴)
[科名]キク科
[原産地]日本を含む東アジア
[花言葉]ためらい、躊躇
[科名]キク科
[原産地]日本を含む東アジア
[花言葉]ためらい、躊躇