日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【石蕗】」です。

ツワブキとは「葉に艶のあるフキ」という意味
この植物の原産地は日本、台湾などです。そのため、学名は「ファルフギウム ヤポニクス」であり、「ファルフギウム」はツワブキ属であることを示し、「ヤポニクス」は日本生まれであることを意味しています。
数十センチメートルほどの葉柄(ようへい)に大きな葉を展開する植物です。葉の表面は「クチクラ」という膜で覆われているので艶があり、その形がフキ(蕗)の葉に似ているため、「葉に艶のあるフキ」という意味で、「つやばぶき(艶葉蕗)」や「つやぶき」といわれ、ツワブキ(艶蕗)に転化しました。
また、葉が厚いので「あつばぶき(厚葉蕗)」といわれ、「あ」が飛び、「ツワブキ」になったともいわれます。斑入(ふい)りの観葉植物にも使われます。