概要

旬なニュースの当事者を招き、その核心に迫るBS日テレの報道番組「深層NEWS」。(月〜金曜 午後10時から生放送)読売新聞のベテラン記者で、コメンテーターを務める飯塚恵子編集委員と、元キャスターの吉田清久編集委員が、番組では伝えきれなかったニュースの深層に迫る。

米国は昨年10月、核兵器戦略の指針となる、新たな「核戦力体制の見直し(NPR)」を発表した。ロシア、中国、北朝鮮が強める核の脅威に対し、米国はどう向き合うのか。日本はこれまで通り、米国の「核の傘」に頼れるのか。兼原信克・元内閣官房副長官補と一橋大の秋山信将教授をゲストに迎えた昨年11月10 日の放送を踏まえて、編集委員2氏が語り合った。

米国の核戦略抑止力の行方

高まる核の脅威

「ロシアはウクライナ侵略で核兵器をどう喝の道具に使った。中国も核兵器を野心的に増やそうとしている。米国は歴史上初めて、二つの核大国と対峙(たいじ)することになる」=秋山氏

「中国は核兵器についても、米国と同等の力を持ちたいと考えている。核兵器は扱いを間違えると、大変なことになる。しかし、中国は軍備管理に応じず、逃げている」=兼原氏

飯塚バイデン大統領は、「核兵器なき世界」を掲げたオバマ元大統領の下で副大統領を務めました。自らの大統領選でも、核兵器の「唯一の目的」は核攻撃の抑止と核攻撃に対する報復に限るべきだとし、核への依存を減らすことを訴えました。しかし、ロシアのプーチン大統領は核兵器の使用をちらつかせて、威嚇しています。中国は2035年には約1500発の核弾頭を保有すると、米国防総省は新たな見通しを発表しました。抑止力の重要性は一段と高まっており、日本や欧州の同盟国は「唯一の目的」をNPRに盛り込まないよう、働きかけてきました。「弱い米国」との誤ったメッセージが広がりかねないためです。結果的には盛り込まれず、ほっとしました。

”抑止と報復”が核の「唯一の目的」©️日本テレビ

吉田国際秩序に挑戦する動きは続いており、バイデン氏は今回、核戦略の大胆な見直しに踏み込みませんでした。米国の「核の傘」を同盟国に提供することがNPRに改めて明記されました。しかし、核兵器を巡る状況は厳しさを増していくのではないでしょうか。日本はロシア、中国、北朝鮮に囲まれており、核の脅威の最前線に位置します。米露は昨年11月末、新戦略兵器削減条約(新START)に基づく核軍縮の協議を行う予定でしたが、ロシアは一方的に延期を通告しました。中国はそもそも、こうした核兵器の軍備管理の枠組みを米国と持とうとしません。北朝鮮はかつてないほど弾道ミサイルの発射を繰り返しており、7回目の核実験も懸念されます。

中国は「核弾頭1000発保有へ」©️日本テレビ