日本の草花を四季に応じて紹介する『日本の花を愛おしむ 令和の四季の楽しみ方』(著:田中修 絵:朝生ゆりこ 中央公論新社刊)から、いまの季節を彩る身近な植物を取り上げ、楽しく解説します。今回のテーマは「【水仙】」です。

春の訪れをいち早く告げる花

スイセンは、雪の中でも咲くという意味で「雪中花(セッチュウカ)」という別名をもち、春の訪れをいち早く告げる花とされます。ウメ、ロウバイ、サザンカとともに、「雪中(せっちゅう)の四友(しゆう)」、ウメとジンチョウゲとともに「三君(さんくん)」に名前を連ねます。

この植物の英語名は、「ナルシサス」です。これは、「水面に映る自分の姿に恋して死んだ、美少年ナルキッソス(フランス語でナルシス)が姿を変えた花がスイセンである」というギリシャ神話に基づきます。ですから、スイセンの花は、水面に映る自分の姿をのぞき込むようにうつむき加減に咲くといわれます。