概要

旬なニュースの当事者を招き、その核心に迫るBS日テレの報道番組「深層NEWS」。(月〜金曜 午後7時から生放送。BS日テレ)読売新聞のベテラン記者で、コメンテーターを務める飯塚恵子編集委員と、元キャスターの吉田清久編集委員が、番組では伝えきれなかったニュースの深層に迫る。

人工知能(AI)が会話するように質問に答えてくれる「Chat(チャット)GPT」。昨年11月に無料公開され、その高い性能から、世界の利用者はすでに1億人を超える。AIの進化は人間の営みをどう変えるのか。懸念や不安はないのか。国立情報学研究所の佐藤一郎教授と東大の松尾豊教授を迎えた3月1日の放送を踏まえて、編集委員2氏が語り合った。

チャットGPT期待と警戒

驚きの文章能力

「AIに大量のデータを学習させることで、次にどういう単語が出てくるのかを予測できるようにした。ディープラーニング(深層学習)の一種で、非常に性能は高い」=松尾氏

「AIの技術自体は着々と進歩してきた。ただ、先端のAIに一般の人が触れる機会はあまりなかった。先端中の先端のAIに今回触れることになり、驚かれたと思う」=佐藤氏

飯塚おしゃべりするように答えるチャットGPTには、私もびっくりしました。GPTとは、Generative(文章を生成する) Pre―trained(事前学習された) Transformer(変換するもの)の略です。AIと聞いても、「日常生活にあまり関係のない難しい研究」と感じていた人は多いのではないでしょうか。しかし、チャットGPTは誰でも簡単に触れることができます。パソコンだけでなく、スマートフォンでも使えます。AIを身近にした、「AIの民主化」といえるでしょう。

なぜ注目?対話型AI「チャットGPT」©️日本テレビ

吉田私も「ここまでできるのか」と驚きました。チャットGPTは、インターネット上にある書籍やニュースなど、数兆語ともいわれるデータを読み込んでいるとされます。世の中にある膨大な情報の関連性を整理して、文章に組み立てていく力には目を見張らされました。しかも、文章を作成するスピードは速く、人間が考えたような自然な文章に仕上げます。調べ物だけではなく、論文や小説のような長い文章も作成することができます。インターネットの登場にも驚かされましたが、それに近い感じを受けました。

「番組テーマ曲作って」チャットGPTに©️日本テレビ