宙組トップコンビ、真風涼帆と潤花の退団公演にふさわしい、ゴージャスなジェームズ・ボンドの世界。小池修一郎が、イアン・フレミングの原作を、ロマノフ家の陰謀も絡めたオリジナルストーリーに仕立て上げた。真風はアダルトな格好良さで魅せながら、爽快な風も運ぶ。その心地よい余裕――、18年目を迎えた男役人生の粋が凝縮(撮影=岸隆子 取材・文=小野寺亜紀)
ジェームズ・ボンドが観客の心を撃ち抜く!
コードネーム「007」。
イギリスの秘密情報部「MI6」の優秀な諜報部員、ジェームズ・ボンド役の真風は、銃や剣を手に鮮やかにアクションをこなす。
クールな佇まい、ドキリとさせる女性との距離の詰め方など、心憎い演出が端々に。
見事に観客の心を撃ち抜く!
◆『カジノ・ロワイヤル』~我が名はボンド~のあらすじ
アメリカとソ連の冷戦が続く1968年。ジェームズ・ボンド(真風)はソ連のスパイ、ル・シッフル(芹香斗亜)をギャンブルで倒し、彼の資金源を断てとの指令を受ける。向かった先のパリで、デモに参加していたデルフィーヌ(潤花)に惹かれるボンド。その後ホテル内の「カジノ・ロワイヤル」に乗り込み、ル・シッフルと対峙。さまざまな陰謀や策略に立ち向かうことになる

写真を拡大 ロマノフ家の末裔で学生のデルフィーヌ(潤・左)は、恋人のミシェル・バロー(桜木みなと)とともに、不平等な世の中を変えようと理想に燃える

写真を拡大 必然の出会いだったと感じる真風と潤、絆の深いトップコンビ