――私のときはもう1人1台になっていました。でもコンピュータは9人に1台。そういえば私も〈ぞうきん&お茶〉やっていたなぁ……。

「17、18年間はずっとそれでしたね、女性は。でもアシスタントを長くやっているとお客さんもリピーターというか、同じ人と仕事をするようになっていくので、そのうち男性と一緒に打ち合わせに出たり、業務内容が若干グレーになっていきまして、軽自動車チックなことを始めた。あ、軽自動車っていうのはですね、男性のやっている仕事は普通乗用車で、女性のみなさんは軽自動車です、と会社が言うんです。責任をもってやってもらう仕事もあるけれど、規模はちょっと小さいのだと。職掌転換できるようになったのは、90年代後半ですかね」

――メグさんが職掌転換されたのは、就職して20年ほど? ……40歳を超えたくらいでしょうか。

「はい。50歳前後で転換試験を受けた先輩もたくさんいましたよ。でもみんな落ちた。会社ってズルいから、この人がいま担当職(総合職)に変わったところで、残り10年しかないと。同じお金をかけるのだったら残り時間の長いほうにするって、若い女性が優先されたのです。でもそうやって10年上の先輩たちが涙をのんだから、私たちは変わることができた。たとえば結婚だって昔は考えられなかったですよね?」

――はい、とんでもなかったです。

「私もずっと独身ですが、私たちの次の世代のことは、私たちにかかっている。いま苦しくても、いつの日か違う道が開けているかもしれない。そう思ってがんばって……ですから職掌転換したときは自負もあったんです、次の世代の見本になんなきゃって。でもここまできて、ちょっと疲れも……。(笑)

とはいえ、最近の若い女性社員は頼もしいですよ。子どもを産んで担当職でやっている人もたくさんいます。『結婚したのに、仕事をやめないなんてとんでもない!』から四半世紀かかってこうなった。そういう意味ではみなさんのいろんな試行錯誤の末に、私たちもいた。

やっぱり世代って同じところをまわりながら、ゆるやかに、ステップアップしていっている。あまりにもゆっくりで、見づらい。目にみえるかたちで前進しないから、当事者にとってはつらいけれど……少しずつ、ね」