ひと昔前と比べ、年齢を重ねても心身共に元気な方が増えています。生活スタイルにも変化があり、自立型のシニア向け施設や住宅が増えているのもその一例。人生後半の生き方を豊かにしてくれる住まいとして注目されています。そこで、自分に合った施設や住宅の選び方、またこれらの住まいで得られる安心感や快適な空間についてご紹介します。

人生最後の大きな買い物。
だから早めに準備を始めたい

近年、老後の住まいとして、シニア向け施設や住宅(以下、シニア住宅)を選ぶ人が増えてきました。その理由や背景を高齢者の住まいに詳しいファイナンシャルプランナーの岡本典子さんにお聞きしました。

「背景にあるのは寿命が延びたことや、高齢者世帯の数が増えたことだけではありません。いくつになっても自分らしく暮らしたい、子供に自分の介護をさせたくない、と考える人が増えているからです。また、シニア住宅への入居は特別なことではなくなり、意識的なハードルが低くなったことも、シニア住宅が身近になってきた理由だと思います」

実は“シニア住宅”とひと口に言っても有料老人ホームやシニア向け分譲マンションなどさまざま。

「類型は多様化しており、一度聞いただけで内容を理解するのは難しいと思います。介護や医療体制の有無、看取りも含めたサービスの範囲を把握することは肝心です。各住まいの特徴を理解し、自分が希望する生活ができるのか? 契約し入居するまでには時間がかかります。人生最後の大きな買い物ですから、早めに準備することが大切なのです」

自分が優先したいのは、立地、医療・介護体制、居室、共有部分、あるいは住宅の豪華さのどれなのか……。

「まずは各類型の特徴を理解し、ご自身の経済状況に合致した範囲を定めます。これだけは! という優先したい条件に適った施設の運営状況も確認し、OKなら見学し、さらに体験入居もしてみましょう」

お話を伺ったのは 岡本典子さん

ファイナンシャルプランナーの視点から、50~90代のライフプランや老後の暮らし、住まいをサポート。シニア向け施設や住宅関連の講演をはじめ、著書も多数。FPリフレッシュ代表。

 

シニア向け
施設・住宅を選ぶポイント!

●類型を理解する
公的施設か民間施設か、どのようなサービスが受けられるかを把握し、介護が必要になったときや認知症になったときの対応など、類型により異なることを確認し理解する
●自分の目的・優先順位を明確に
老後どのように暮らしたいのか、そのための譲れない条件を明確にする。例えば、最期まで住み続けたいのか、要介護になったら別の施設に移るのか。施設内の雰囲気、豊富なアクティビティ、サークル、温泉、食事、立地など条件をあげてみる
●身の丈に合うところを
自身の資産を洗い出すと同時に、入居期間を想定して、上限金額を決定する
●施設の経営状況を知る
財務や経営状況が健全かどうかは、「重要事項説明書」でわかる(都道府県ごとに一覧表で公開されている)。入居率90%以上を目安に、運営方針、財務状況、親会社も確認する
●パンフレットやホームページだけではない情報を。見学が大事
立地や環境を確認するだけではなく、スタッフの対応や入居者の表情などは、現地でないとわからないもの。1回の見学では不安なら、季節を変えて複数回訪問することもおすすめ
1(第1印象)
施設に入った瞬間「清潔で雰囲気が良いなぁ」と感じる第一印象は大切
5(5感)
視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚と五感をフル稼働させ、全身でその施設の生活を感じとる
6(第6感)
最後は「ここなら心地よくくらしていけそう」かどうかをトータルに、第六感で判断し、OKなら体験入居へ

一人ではない安心・安全と
日々の刺激もある暮らし

岡本さんが考えるシニア住宅の良い点は、安心感だと言います。

「たとえば具合が悪くなったとき。シニア住宅なら見守りがあり、いざというときには職員が対応してくれます。話し相手がいることもメリット。また、高齢になると外出も減り、日々の刺激も少なくなり、それが心身の衰えにつながることも。その予防策として、スポーツや音楽、美術など多種多様なサークル活動やアクティビティがあるのも良い点です。そのほか、年を重ねると食事づくりが面倒になり低栄養に陥りやすくなりますが、シニア住宅ではバランスのとれた食事を楽しくいただくことができます」

すぐそばに話し相手がいるのも安心

最近では、地域との交流を重視し、施設を開放して連携するシニア住宅も増えているとか。災害時も安心ですし、地域の人々との交流は入居者への刺激にもなっています。

老後を自分らしく過ごすための大切な住まい。自分で情報を集めこれからの住まいを探したいと考える人も増えています。最期まで自分らしく生きるためには、シニア住宅に関する予備知識を持ち「早めの老い支度」をスタートしてみましょう。

趣味を楽しんだり、新しいことに挑戦したり、アクティブに過ごせる

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