「絵本ですが、子どもだけでなく、いろいろな世代の人に読んでもらえたら嬉しいです」

私の「願い」が詰まった一冊

教え子でも近所の子どもでも、彼らは面白いことをいっぱいしてくれますから、絵本の材料に事欠きません。でも物語は、もっとなにげないときにも生まれます。

雑巾がけをしていて濡れた部分が「を背負って行者の装束を着た狐」に見えて、ふと「狐が手に大きな石を持っていたら?」と考える。そうすると次々と物語が頭のなかに浮かんで、雑巾がけそっちのけで座り込んでしまうんです。

浮かんだお話は、その場ですぐメモ。あとで膨らませていきます。これは『きつね行者と願い石』というお話になりました。

絵本づくりで夜更かしをするようなことはありませんが、朝から夕方まで集中して色付け作業をしていると、夫が「ごはんできたで~」と食事の用意をしてくれます。焼き飯とか、上手なんですよ。

『はるさんと1000本のさくら』(著:ただのぶこ/中央公論新社)