出会えたことの尊さ

長生きといえば、今まで見送らせていただいたワンちゃんでもっとも長生きだったのが25歳の、これもまたヨークシャーテリアでした。

どの獣医さんに聞いても、「日本一の長老犬ではないか」と言われたそうです。

この子は白内障になっていて、目はほとんど見えなかったようです。そして、歯も全部抜けていました。ですから、もうボロボロの状態です。

最後の2年間は、ほぼ寝たきりで、立ち上がることもできない状態。飼い主さんもお世話が大変だったと思います。

「それでもこんなに長く生きてくれたのがありがたい」「素晴らしい子に出会えた」と飼い主さんはしみじみとおっしゃっていました。

『愛犬が最後にくれた「ありがとう」』(著:小島雅道/青春出版社)

何が申し上げたいかというと、ワンちゃんや猫ちゃんというのは、早く亡くなったらそれはもちろん悲しいけれど、長生きをしてくれても、思い出がたくさんあるだけにとても悲しいということです。それだけ長い時間を共に過ごしたのですから当然です。

それでも、一緒にいる時間が短くても長くても、この子と出会えたことに対する感謝と、出会えたことの尊さは同じだということをお伝えしています。