関西弁は頑固である

ソース、ドレッシング一般を平たく「たれ」という。スーパーの売り場の看板にも「たれコーナー」というのがある。
東京でいう「サンチュ」は「チシャ」、鶏肉は「かしわ」、ヒレ肉は「ヘレ」である。
ヘレ、て。
姑はずっと訛っているのだと思っていたら、大阪のおばちゃんはみんな「ヘレ肉、あんで〜」と言っている。

何より夫が、厳しい訓練を受けてアナウンサーとしてそこそこ仕事をしていた私の言葉を、ケラケラと笑う。
わたしがあるとき、

「あ、カマキリがいるよ!」(カの音が一番高くてそこにアクセントがあります)
と呟いたとき。
けーっ、けっけっけ。なんじゃそら?
「カマキリ」てなんや。(私の発音を復唱)
「カマキリ」(キの音が高くてそこにアクセント)やろ。
おにぎりもそうや。
おにぎり(〈に〉にアクセント)ちゃうわ、
「おにぎり」(〈ぎ〉にアクセント)や。

標準語として絶対に間違いなく「カマキリ(〈キ〉を強調」だと、アクセント辞典を引きながら勉強してきた私に対して主張し続けている。
…あのねぇ。

関西弁は頑固である。