池中玄太もいまでは…

1980年にヒットした西田敏行さん主演のテレビドラマ『池中玄太80 キロ』を覚えていますか? このドラマのタイトルにある「80キロ」は、当時「とても太っていて大きい人」を意味していました。

放映から三十数年が経った今、80kgという数字を見てどのような印象を持たれるでしょうか? 

太った大きい人の代名詞という感じはあまりしません。最近は太っている人といえば100kgはないと物足りない(?)感じがしますよね。

日本人男性の平均体重の推移を見てみると、戦後から増加傾向が続いています(図4)。

「池中玄太80キロ」が放送された1980年の玄太世代の30代男性の平均体重は62kg。そこから2006年の70kgくらいまで直線的に増え続け、以降は70kg程度に落ち着いています。つまり、池中玄太の時代から、平均体重は実に10kg近くも増えているのです。

『学術的に「正しい」若い体のつくり方』(中公新書ラクレ)より

また、成人男性の肥満者(BMI25以上:BMI=体重〔kg〕÷ 身長〔m〕× 身長〔m〕)の割合も1980年には17%程度だったのが、2006年以降は約2倍の30%程度に増加しています。最近では太った人があまり珍しい存在ではなくなっているのです(図5)。

『学術的に「正しい」若い体のつくり方』(中公新書ラクレ)より