誤嚥を防ぐ、のどのフタで、「空気は気道」「飲食物は食道」に仕分けられる

2006年からの11年間に、食べ物をのどに詰まらせて窒息死した国民は約5万2000人。うち75歳以上が、73%を占めていました(厚生労働省人口動態調査)。

年間約3500人の後期高齢者が、食事のとき窒息して亡くなっている計算です。

のどの筋肉は、「誤嚥を防ぐ、のどのフタ」の開閉も担当しています。のどにはフタ(喉頭蓋(こうとうがい))があり、「空気は気道から肺へ」「飲食物は食道から胃へ」と、私たちの意思とは関係なく、交通整理をしてくれています。

たとえば、もちをのみこむときは気道でなく食道の方に行くように、気道の入り口を、のどのフタがパッと塞ぎます。

ところが高齢になって、のどの筋力が衰えると、フタの反射運動も鈍りやすく、もちが誤って気道の方に入りこみ(誤嚥)、最悪の場合、窒息死に至るのです。

高齢者に多い死因「肺炎」の大部分は「誤嚥性肺炎」です。飲食物や唾液、胃液などが誤って気道に入り、一緒に細菌も吸いこんでしまうことで起きます。

風呂カラオケは、この「のどのフタ」の強化トレーニングとしても最適です。

※本稿は、『毎日10分-長生き風呂カラオケ』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。


毎日10分-長生き風呂カラオケ』(著:渡邊雄介/中央公論新社)

「入浴中にウトウトしてしまう」
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――ひとつでも思い当たったら、風呂カラオケの始めどきです。

入浴中の事故防止、誤嚥予防に毎日10分、世にも簡単でお得な健康法

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