お金と不安の関係

不安のない健康で満足な生活、加えて自分を豊かにする生活、これらはお金があれば誰でもできると思われがちですが、決してそんなことはありません。

わたし自身、40代から50代にかけて、それまでにない大金を持ったこともありました。でも、その当時の生活には「安心」も「健康」も「満足」もありませんでした。

『73歳、月5万円でますます快適! 「ちょうどいい」を自分で創る ごきげんプチプラ生活』(著:紫苑/廣済堂出版)

子どもたちとは揉(も)め、彼らに一番不安を与えた時期でした。お金に振り回される母親のそばで、その無軌道ぶりに呆れながらも母親のどこかにある不安を子どもたちは敏感に感じ取っていたからでしょう。

その経験でわかったことは、お金とは決して人の心を安定させるものではないということです。

むしろ、これがなくなったらどうしよう、どうなる? という不安をいつもうっすらと抱いていました。

子どもたちにとっても「お金」=「安心・幸せ」とはならなかったのです。