「牢屋か!」

とりあえずは、宿泊する室内の探索である。ドアを開けると部屋というか独房のような2~3畳ほどの空間にベッドがあるだけだった。天井には金網が張ってあった。

『タバコの煙、旅の記憶』(著:丸山ゴンザレス/産業編集センター)

「牢屋か!」が部屋を見た印象である。まさに寝るだけのスペース。それ以外は必要ないだろと言われた感じがした。

香港で似たようなホテルを経験していたので、「これぞ狭くて地価の高い街ならではの機能美、ニューヨークスタイルだな」と思って納得できた(当時の俺はだいぶニューヨークに肩入れしていたのだろう)。

(写真:丸山ゴンザレス)

あとは施設内にどんなものがあるのか、そっちの方が気になって仕方ない。とりあえずバックパックを放り出してホテル内を探索することにした。

宿泊施設は何フロアかあるようだったが、施錠されている場所もあったので自分の滞在した場所を含めて3フロアしかまわれなかった。

1階上のフロアは宿泊フロアと違いはない。気味が悪いぐらいに同じである。階数と部屋番号でも確認しないと間違えそうだし、視覚的に記憶していたら、脳内のメモリごとバグって崩壊しそうなぐらいである。