息子のために作った曲

五木 実はこれ、30年前に出した曲なんだよね。

高橋 そんな古いものだったなんて信じられない。今でも充分、新しいですよ!でも、30年前にこんな可愛らしい曲を出していらしたのは、びっくりです。

五木 実を言うと、これは、息子のために作ったアルバムの中の一曲なんだ。30年前、僕が長男の手を引いて散歩をしながら、いろんな歌を口ずさんでいたんだけど、「赤とんぼ」や「お手てつないで」で始まる「靴が鳴る」みたいないわゆる唱歌、童謡しか思いつかなかった。考えてみればこれ、みんな昭和の童謡だなあと…。時代は平成なのに、最近生まれた童謡はないぞ!と…。それで「平成の童謡を作りたい」という気持ちがむくむくと沸いてきたわけ。

高橋 それを実行しちゃうところが五木さんですよね。それが「平成のDO-YO」というアルバムになったんですね。

五木 うん。芸能生活30周年のときの企画もののアルバムとして1994年に発売したんだけど、僕がプロデュースして書き下ろしてもらったり、僕が作曲した「パパとあそぼう」を含め全18曲。作詞は主に高田ひろおさんにお願いして、作曲陣も吉幾三さん、森山良子さんや来生たかおさんたちに協力してもらって、とても豪華なアルバムができたんだよね。

この「恐竜体操」は「およげ!たいやきくん」コンビの高田ひろおさん、佐瀬寿一さんの作品で、当時は今とは違う振りもついていたんだよ。
当時、僕の息子たちが踊ってた。(笑)

「恐竜体操」これは、息子のために作ったアルバムの中の一曲

高橋 じゃあ、恐竜をテーマにした曲ができたのは、福井を意識したわけではなく、偶然だったんですか?

五木 まさか福井県が「恐竜王国」になるなんて考えてもいなかった。まったくの偶然です!(笑)

高橋 しかも、その後、福井が恐竜王国として有名になったのに、五木さんはこの曲のことを忘れていらしたんですよね。(笑)

五木 そうなんだよね。まったくきれいに忘れてました! (笑)