イラスト:本田佳世
キャッシュレス決済で買い物をすれば得すると聞くけれど、現金主義者には何が得なのかチンプンカンプン。スマホの操作も自信がない、と諦めてしまっていませんか。要点さえ押さえれば、意外と簡単に快適な暮らしを実現できるのです。第2回は主なキャッシュレス決済の特徴について、聞きました(構成=島田ゆかり イラスト=本田佳世)

電子マネーは決済のスピードが鍵

まずは、電子マネーについてお話ししましょう。

まず電子マネーは、各社が発行している専用のカードにお金をチャージして使います。現金やクレジットカードで事前に入金し、その分だけ買い物できます(一部、後払いのタイプもあり)。携帯端末に内蔵された「おサイフケータイ」などの機能を利用すれば、スマホや携帯電話で使用できるものも。カード、スマホタイプともに専用の機械に約1秒かざすだけなので、その手軽さが最大のメリットといえるかもしれません。

電子マネーは、交通機関での利用に特化した「交通系」、デパートやコンビニでの買い物に特化した「流通系」、後払いが可能な「クレジットカード系」など、さまざまなタイプがあります。自分の生活に合った電子マネーを選ぶことで、効率的にポイントを貯められるでしょう。

持っておいて損がないのは、交通系電子マネー。特にSuicaは全国に加盟店舗も多くて利便性に長けている。電車・バスなどの交通機関のほかに、普段の買い物でも使えます。さらに2019年10月から、JR東日本の在来線の乗車利用ごとにポイントが付与されるようになりました(事前にポイントサイトへの登録が必要)。スマホに登録して使えるモバイルSuicaは乗車料金の2%、カードタイプは0.5%が還元されます。

たとえば新宿から茅ケ崎まで電車に乗った場合、運賃は1166円ですから、モバイルSuicaなら23ポイント、カードタイプでも5ポイントつきます。グリーン券や定期券の購入は2%還元(モバイル版のみ)。遠方へ行く際も、スマホや携帯電話で事前にチケットを申し込むと指定席特急券が割引になる「えきねっとチケットレスサービス」などを併用すれば、多重にお得になる仕組み。

また現在、JR東日本は駅ナカの対象店舗で「キャッシュレスでJRE POINT還元キャンペーン」を実施中。Suicaの利用で2%還元、さらに還元事業の対象店舗であれば上乗せでポイントがもらえます。ポイントはSuicaのチャージにも使えるので、キャッシュバックと同等の価値があるといえるでしょう。

そのほか、代表的な電子マネーはそれぞれ独自のメリットを打ち出しています。特徴や還元率は、図表を参考にしてください。基本還元率が「0%」のものも、支払い元に設定したクレジットカードのポイントを貯めることができます。

【図表】5大電子マネーの特徴や還元率は?