「私の中では、お仕事に『小さい』とか『大きい』という感覚があまりないんです。どの仕事もすべて一緒とは言いませんけど、ハリウッドだから緊張するということもまったくなくて。」(秋元さん/撮影:本社写真部)
AKB48を卒業後、女優として活躍する秋元才加さん。今年は、6月には結婚、8月には出演したハリウッド映画が公開された。以前から秋元さんに興味を持ち、フィリピンにルーツを持つ女性を主人公にした小説『血の記憶』を上梓した作家の麻野涼さんが聞き手となって、近況をインタビューする(聞き手=麻野涼 構成=内山靖子 撮影=本社写真部)

日本人スナイパー“ミフネ”の役で

――AKB48を卒業後、女優として舞台やドラマで活躍なさっています。トム・ベレンジャー出演の映画『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』に出演し、ハリウッド・デビューも果たしましたね。

秋元 このお仕事が決まったのは、自分でも驚きでした。去年の春、『山猫8』で日本人のキャストを探していた映画会社を通じて声をかけていただいて。ビデオでのオーディションだったので、アクションシーンや台本のセリフを英語で喋る動画を、3、4回、ハリウッドに送り、最終的に監督からOKの連絡が来て、日本人スナイパー“ミフネ”の役をやらせていただくことになりました。撮影は、2019年にカナダで行われたので、新型コロナウイルスの影響も受けずに済みました。

 

――以前から、海外の作品に出てみたいという夢を持っていらっしゃったのですか?

秋元 私の母はフィリピン人で、とても強い女性なんですよ。フィリピンでは男性があまり働かないので、そのぶん、女性がたくましい。父方の祖母もちゃきちゃきの江戸っ子ですごく自立した女性だったんですね。その祖母と母が、アクション映画が大好きで。母は『暴走特急』のスティーヴン・セガールの大ファン。

祖母は「いつか才加が、銃を持ったアクション映画に出られたら嬉しいよ。自立したカッコイイ女性の役をやってほしい」と言っていた。その影響で、自分もいつか海外のアクション映画に出られたらいいなぁって、ぼんやりと思っていたんです。

でも私たちの仕事って、いくらやりたいと思っても、オファーをいただかないことには始まらない。30代になったのに、いつまでもそんな夢を持っていていいのかな? と、気持ちが薄れつつあった時に、今回のお仕事が決まって。しかも、私はライフル銃を撃ちまくるスナイパーの役。まさに、「なるべくしてこうなったのか?」という不思議な感覚で。もちろん、すごく嬉しかったですけどね。

 

――ハリウッド映画に出演するということで、かなりのプレッシャーもあったのではないですか?

秋元 私の中では、お仕事に「小さい」とか「大きい」という感覚があまりないんです。どの仕事もすべて一緒とは言いませんけど、ハリウッドだから緊張するということもまったくなくて。「公開日が決まりました」と言われてから、「大丈夫かな?」って(笑)。

世界中のファンに愛されている人気シリーズに出たことで、自分が思っていた以上にみなさんに注目していただけて。「私はすごい作品に出られたのかもしれない」って、今、ようやく実感しているところです。