イラスト:霧生さなえ
自分の歳は棚に上げ、他人の目なんて気にしない。夢中になれるものができたとき、幸福度は最高潮になるようです――(「読者体験手記」より)

体験したことのない空間に魅了されて即入会

何でもかじってみたい性分の私は、やりたいものに出会ったら一気に夢中になります。もともと楽器を弾くのが好きで、津軽三味線を5年ほど習ったことも。三味線の皮が破れたのを機に、少し飽きてきたこともあって、そのままやめてしまいました。そして、5年前のある日、聞いたことのない魅惑的な音色に引き寄せられ、またもや新しい扉を開いたのです。

「タキタタカディミ、タキタタカディミ……」

不思議な7拍子のリズム。歌に合わせ、ステップを踏む私。そう、私が50代半ばで始めたのは「インド舞踊」でした。

誘われて出かけたヨガのイベントで、初めて見たインド舞踊に一瞬で心を奪われました。早速インターネットで検索して教室を探し、一緒に習おうと友人たちを誘ったものの、残念ながらみんなの返答はNO。一度は迷いましたが、自分で自分の背中を押して習うことを決めました。

初日は、まずレッスンを見学。録音された音楽を流すのではなく、先生が楽器を叩いてリズムを刻み、サンスクリットで歌い始めます。独特の調べに合わせてきれいなサリーを着た女性たちがステップを踏み、それは今まで見たことも体験したこともない空間でした。