70代になった人気漫談家・綾小路きみまろさん。仕事柄、さまざまな世代と接しますが、若者に対しては無理に近づきすぎないように努めているそう。そこには「最初から混ざらないとわかっている相手に対して、溶け込む努力はしない」というきみまろさんの姿勢があるようで――。
家族や親しい友人たちから冷たい目で見られるときは
家族や知人から「その話、さっきも聞いた」と冷めた目線で言われたこと、ありませんか?
これ、私も、わりと頻繁に経験しています。さすがに、ライブ本番で同じネタを何度も唱え続けていたら、いよいよ引退を考えますが。
私は、「さっきも聞いた」とツッコまれたときは、反省するように心がけています。忘れたことが悪いわけではありません。くり返し同じ話をしたことも、それほど悪いことではありません。
恐らく、家族や親しい友人・知人たちから冷たい目で見られるときというのは、無理やり、みんなの会話に私が混ざろうとしたときなんじゃないかと思うのです。
「相手に理解してほしい」という気持ちが、強く出過ぎてしまっている。それで、多少なりとも疎(うと)ましく思われてしまうのだろうと推測します。
私は、特に仕事の現場では、出しゃばらないことを心に決めています。