何が起きても、プロスポーツのメンタルで
理子 うちの母が偉いなと思うのは、父の悪口や愚痴を私に一切言わなかったこと。
修 そりゃあ、オレがいい男だからだよ。(笑)
理子 よく言う~。父親に反発せず今も仲良くしていられるのは、母のおかげかな。あと、会えない時間もあったから、嫌なところは見ずにいい距離を保てていたのかもしれない。一緒に暮らしていた期間は、いろいろ目に入るし。あっ、耳をふさいでる! 耳が痛いんでしょう?
修 痛くない。ちょっとかゆいけど。(笑)
理子 そういうことも笑い話にできるような家庭で育ったおかげかな。自分が家庭を築く段になって、何が起きても柔軟に受け入れることができるようになった気がします。ただ、私は両親にも夫にも、言いたいことはストレートに言いますね。
修 理子のそういう強いところは母親似かな。
理子 どうだろう。プロとしてスポーツをしてきたことも大きいかも。プロゴルファーになったおかげで、精神的にすごく強くなったと思う。ゴルフは《自分が審判》のような競技でもあるから、自分に厳しいし、一方で失敗はすぐに忘れないと次に影響するので、気持ちの切り替えも大事。それに、1つの出来事も見方や考え方次第で変わるし、それをプラスに変えていく行動や考え方をしたほうがいいと思っているの。
修 プロでやるというのは、生半可なことではないからね。
理子 小さい頃からプロとして活躍する親の背中を見ていたので、そういう意味では影響をすごく受けているし、尊敬もしている。同レベルで競っていた仲間たちは高校時代からプロを目指していたけれど、私が覚悟を決めたのは、大学卒業後。「プロになる」と軽々しくは言えないと思っていたもの。
修 オレは理子のゴルフに関しては、言いたくても何も言わないようにしていた。ただ、野球と共通点があることだけはアドバイスしたけれど。