本連載がまとまった青木さやかさんの著書『母』

 

水、フルーツ、ゼリー、紙コップ、割り箸(洗いものをする元気がなかった)、パルスオキシメーター。あげようと思えばいくつかあるのだが。
一つ挙げるとしたら、ダントツでわたしを助けてくれたのは
「人との繋がり」だった。

自宅療養中、同じくコロナ療養中の中学生の娘と2人きりの我が家。コロナは軽症が多いと聞いていたので、最初は「これを世間では軽症というのかな?わたしが大袈裟なのかもしれない」とも思ったが、苦しさが増していく体調の悪さと共に、「不安感」が一気に増した。

そんな中、電話で相談できる友人との会話の時間は、心を明るくさせた。玄関まで近所の人が持ってきてくれる食料を受け取る時に感じられる「繋がり」に心温かくなった。友人が送ってくれたお見舞いの品を見ると、その人の顔が浮かんだ。LINEのやりとりもありがたかった。入院生活で一言二言交わす看護師さんとの会話が、楽しみになっている自分がいた。

不安が減ると、体まで楽になるというものだ。

クティはずっと通常運転