(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
圧倒的なオーラを放つトップスターの存在、一糸乱れぬダンスや歌唱、壮大なスケールの舞台装置や豪華な衣裳でファンを魅了してやまない宝塚歌劇団。初の公演が大正3年(1914年)、100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」には「花・月・雪・星・宙」5つの組が存在します。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第31回は「宝塚のトップスター」のお話です。
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)

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トップスターになれるのは、ほんの一握り

宝塚には組ごとに、「トップスター」と呼ばれる男役がいます。
トップスターは常に公演の主役を務め、組の顔となります。
公演のフィナーレに、大きな羽根を背負って大階段から降りてくる姿は神々しく、
大きな背負い羽根はトップスターの象徴です。

トップスターだけが背負える羽根。公演ごとにデザインが変わる

オーストリッチや、キンケイ、ギンケイの羽根で作られた背負い羽根は、
全長約2m、重さは10kg以上あるそうです。
もちろん私は背負ったことはありません。

400人を超えるタカラジェンヌの中でトップスターになれるのは、ほんの一握りです。
歌、ダンス、芝居の三拍子が揃っているだけでなく、容姿の華やかさ、スター性を兼ね備えた選ばれし者…それが宝塚のトップスターです。

若々しくフレッシュでかわいらしかった頃

月組で初舞台を踏み、月組で育った私。
21年間在籍した間に、9人トップスターさんが変わり、
それぞれのトップスターさんのもとで、様々なことを学びました。

今回はそんなトップスターさんのお話です。