母親が遺したアクセサリーのうち、ゴールドは早々に換金(写真はイメージ。写真提供:photoAC)

手放して後悔したもの

遺品と向き合いながら手元に残すべきものを見きわめていった中村さん。その作業は、親子で過ごした時間を見つめ直す機会となったようだ。一方、慌てて処分して失敗したという人も。

東京都在住の藤木美優さん(65歳)は、母親が遺したアクセサリーのうち、ゴールドを早々に換金。象牙に彫刻をほどこした大きなアンティークブローチも、大袈裟すぎて使えないと思い、手放すことにした。

「アンティークジュエリー店の保証書がついていたので連絡したら、買い手が見つかれば、当時の購入金額の7割を返金すると言われました」(藤木さん。以下同)

悪くない条件だと思って店に品物を預けておいたところ、3ヵ月ほどで買い手が現れ、約7万円を手にした。