映画やドラマなど、幅広い作品に出演している斎藤工さん。本名の齊藤工(読み方は同じ)名義で映画監督としても活動する彼の最新作は、ホラー・ミステリーの『スイート・マイホーム』。主人公を務めるのは、ドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」で斎藤さんとバディ役を演じた窪田正孝さんです。 “理想的な家族”と言われる一家が、念願のマイホームを手にしたことで身の毛もよだつ恐怖に見舞われる様を描いたこの作品。今回、監督と演者として再びタッグを組んだおふたりに、ご自身が理想とする家族、苦手なものや怖い体験、撮影中のエピソード等について語っていただきました。
(構成◎上田恵子 撮影◎本社・奥西義和)
(構成◎上田恵子 撮影◎本社・奥西義和)
自身が思う「理想の家族」とは?
齊藤工(以下、齊藤)コロナ禍のステイホームの頃からでしょうか。自分を守ってくれる場所であるホーム、――これは「ホーム&アウェイ」で言うところのホームですね――という場所を、「本当にそうなのかな?」と考える機会が増えました。そもそも時代とともに、理想とされる家族像も変わってきていますよね。
窪田正孝(以下、窪田)確かに。
齊藤 文化は違いますが、たとえばフランスでは今やPACS(性別に関係なく、成年ふたりの個人間で、安定した持続的共同生活を営むために結ぶ契約)のほうが多かったりします。幸せの形は人によって違うことに、人々が気づき始めているんでしょうね。もちろん元からある「型」を埋めていく幸せの形もあるのでしょうが、僕としては気が合うとか、波長が合うとか、そういうさりげないところにこそ本当の人間関係があるような気がしています。
窪田 僕は、今を楽しめる、そして気持ちを本音でぶつけ合える人と一緒にいるのが理想ですね。未来って今が続いた先にあるから、今が楽しくなくて未来が楽しいわけがない。
齊藤 わかります。今を一緒に楽しめる相手って大事ですよね。