田中卓志さん「自分の中でテンションが上がる食事というのはある。たとえば焼肉や寿司、それから牛丼!」(c)新潮社写真部
お笑い芸人のアンガールズ・田中卓志さんが初エッセイ集『ちょっと不運なほうが生活は楽しい』を著しました。今年で芸歴23年、今までの人生を振り返った内容は、思わず笑ってしまう話から胸を打たれる出来事まで悲喜こもごも。今回は、食べ物について綴った「最高の食事」をご紹介します。

一人ご飯は寂しくない

食事というものは、毎日のことで何気なく過ぎて行く。けれど、毎日の積み重ねだからこそ、色んな想いが詰まっていて、時にその感情が意外な形で僕の前に飛び出してくることがある。

僕は一人暮らし歴がもう26年になり、年齢が45歳なので、一人で暮らしてきた時間のほうが長い。

ここまで来ると、一人でご飯を食べるということに全く寂しさを感じない。

よく芸人同士、仕事が終わると今日の収録の話や、他愛もない話をするために、みんなでご飯に行くことがあるけれど、それが大好きな芸人もいれば、正直それがなくてもいい芸人がいる。僕はどちらかといえば後者に近いと思う。

さっと家に帰ったら帰ったで、一人で好きなテレビを見たりゲームをしたり、そんなことをするだけで十分楽しいからだ。