人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

自分が正しいと考えがちに

「自己スキーマ」という考え方を知っていますか。 

自分自身に対して持っているイメージ……たとえば、「私は内向的だ」「私は他人思いだ」「私は潔癖症だ」など、自分の性格を自己分析して相手に伝えるときや、自分自身の行動がもたらす結果を予測するために利用されます。つまり自分を客観的に判断するためにとても重要な考え方です。 

しかし、これがあまり強くなりすぎると、どんな場合でも「何が何でも自分が正しい」「相手の言っていること(やっていること)が間違っている」と考えがちになります。 

「シニアは頑固」というイメージがありますが、これは、年を重ねるに従って自己スキーマが強くなっていくことと関係しています。 

そして、自己スキーマが強くなりすぎると、友人をつくるのが難しくなります。さほど親しくもない人から、「キミの言っていることは間違っているよ」「なぜ、私の言うことを聞かないの?」などと言われたら、友人になりたくないと思うのは当然でしょう。