友近さん「しょっちゅうレンタルビデオ店で借りて観ていた作品が『難波金融伝ミナミの帝王』シリーズでした」(写真提供:Photo AC)
NHK朝の連続テレビ小説「ブギウギ」にも出演のお笑い芸人の友近さん。芸歴50周年の演歌歌手 水谷千重子、ピザ屋で働く中高年プロアルバイター 西尾一男など、鋭い洞察力と表現力で数々の役を演じ、お茶の間に笑いを届けています。今の友近さんを作り上げた、お笑いの原点とは。友近さんいわく、「Vシネマというジャンルを、『ミナミの帝王』で知った」そうで――。

ミナミの帝王

Vシネマというジャンルを、「ミナミの帝王」で知ったかな? 愛媛にいるころからハマって、しょっちゅうレンタルビデオ店で借りて観ていた作品が「難波金融伝ミナミの帝王」シリーズでした。

主人公は、大阪・ミナミでトイチ(10日で1割)の高利貸し業、「萬田金融」を営む萬田銀次郎。貸した金は10円でも絶対に回収する、ついたあだ名は“ミナミの鬼”。

これが実に魅力的な男なんですよ。

物語の構成は、だいたい毎回こんな感じです。

(1)銀次郎の債務者が逃亡。(2)しかし、実はその債務者も悪党に騙(だま)されていたことを知り、法律や金融知識を駆使して悪党を追い詰め、大金を奪い返す。(3)その金で債務者の借金をチャラにして、人生をやり直させる。

つまり、“ミナミの鬼”でありつつ、困った人を助けるダークヒーローでもあるわけです!