娘・大弐三位の意外な結婚相手

境内には紫式部と娘の賢子(大弐三位/だいにのさんみ)の歌碑も立てられています。

紫式部と娘の賢子(大弐三位)の歌碑も

有馬山ゐなの笹原風吹けば
いでそよ人を忘れやはする

母と同じく優れた歌人であった大弐三位のこの歌は、百人一首にも選ばれています。有名な歌なのでご存じの方も多いと思いますが、紫式部の娘が詠んだことは、あまり知られていないかもしれません。

母に続いて中宮彰子に仕えた後、後冷泉天皇の乳母となった彼女は、太宰大弐(だざいのだいに)正三位・高階成章(たかしなのしげあきら)と結婚。夫の役職にちなんで、大弐三位と呼ばれるようになりました。

余談ながら、賢子は高階成章の前に藤原道兼の次男・藤原兼隆と結婚していたといわれています。そうです、『光る君へ』のまひろが憎んでいる、あの道兼です!(あくまでドラマのなかのお話ですが)祖母を殺した憎き道兼の息子と結ばれることになるのです。