自分をご機嫌にする「ひとり時間」の楽しみ方

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一人きりで過ごす時間は寂しい気持ちになりがち。でも「特別な楽しみを加えるんでございます」。哲代さんはそう言って、かけがえのないひとときに変えてしまいます。そんな哲代さん流のひとり時間の楽しみ方とは?

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『103歳、名言だらけ。なーんちゃって 哲代おばあちゃんの長う生きてきたからわかること』(著:石井 哲代、中国新聞社/文藝春秋)

(1) アルバムをめくる

こう見えて私、昔はカメラが趣味でございまして。地域の子どもたちを撮った古い写真がようけあるんです。さっきも昔のアルバムを引っ張り出して見とったの。これはいつ撮ったんかな。昭和60(1985)年ですか。見てみてください。かわいいでしょう。

このころは、子どもたちが学校帰りに「喉が渇いた」ってうちに寄るから、いつも井戸水を冷やしては庭先に置いとったの。おいしそうに飲む姿を撮っては焼き増しして配っておりました。

それが私の楽しみでもあったん。自分用にアルバムに収めておいてよかったです。こうやってたまに眺めて楽しんでいます。それにしてもあのカメラ、どこへいったんじゃろうか。今は行方不明でございます。

(2) ドリルを解く

小学校の先生をしておりましたからな。子どもたちに繰り返し教えた読み書きやら計算やらは、体が覚えとるんでございます。

いつぞやに姪が買ってきてくれた算数ドリルでも、新聞の折り込みの漢字の脳トレでも、何でもいいの。ちょっと時間があればやっとります。

なんべんも力試ししたいから答えはノートに書くんです。まあ今のところ、だいたい100点でございますなあ。

へへへ。このノートも、もう書くところがなくなりそうです。