書くと気持ちが落ち着く

(5) 詩を書く

本や新聞をよく読みますが、書くことも好きです。以前は新聞に投書したり俳句を詠んだりしていました。今でも詩はたまに書きます。書くと気持ちが落ち着きます。

先日、神戸にいる妹の桃ちゃん(桃代さん)に会ってきたの。そのときの気持ちも詩にしました。

妹は七つ下で、幼いころはよくおんぶして子守したもんです。

ずいぶん前から寝たきりで今は施設におります。目も閉じとって話をすることもできんのです。

コロナでなかなか会いに行けなかったから、うれしくて。でも、感染予防のため窓越し(実際はアクリル板越し)じゃったから、もどかしかったです。その詩も載せるんですか。わおーわおーでございます。

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「桃ちゃん」(石井哲代)

わたしの背中で大きくなった
桃ちゃん あなたは温かくて
吐息がくすぐったくて
可愛い 可愛い
たった一人の妹
あなたにふれたい
ぬくもりをたしかめたい
ねえ ねえ 目を開けて
手を握って
二人を隔てるガラス
なんと厚いことでしょう
桃ちゃん 桃ちゃん
この声届いているよね

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※本稿は、『103歳、名言だらけ。 なーんちゃって 哲代おばあちゃんの長う生きてきたからわかること』(文藝春秋)の一部を再編集したものです

 


103歳、名言だらけ。なーんちゃって 哲代おばあちゃんの長う生きてきたからわかること(著:石井 哲代、中国新聞社/文藝春秋)

「こんなかわいいおばあちゃんになりたい!」「人生の目標にしたい」という声が広島から全国に広がり、ベストセラーとなった『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』の石井哲代さんのその後を追った続編。これまでの人生経験から得た「哲代さんが自分の心に言い聞かせている言葉たち」を一冊に。