(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が行った「令和4年 国民生活基礎調査」によると、約46%もの人が「悩みやストレスを抱えている」と答えたそう。なかなか解決できない悩みは、「もうひとりの自分」が、心を守るために無意識に引き起こしているかもしれません。公認心理師・橋本翔太さんは、その心の防衛機能を「ナイト(騎士)くん」と名づけました。今回は、自著『わたしがわたしを助けに行こう ―自分を救う心理学―』より、つらい悩みに隠されたナイトくんの目的を解き明かします。

「食べ過ぎてしまう」「飲み過ぎてしまう」に隠されたナイトくんの活躍

ナイトくんがあなたを守ろうとしてがんばっているのだけれど、あなたはそれをやめてほしくて、そのナイトくんの働きを恨んでしまう──。

そのわかりやすい代表例は、「食べ過ぎてしまう」「飲み過ぎてしまう」などの食を通した問題だと思います。

ついつい食べ過ぎてしまう、飲み過ぎてしまう、深夜なのにカップラーメンやアイスがどうしても食べたい、口寂しい……。

そんな経験をした方は少なくないはずです。

これはあなたのナイトくんが、よかれと思ってあなたに「食べ過ぎるように仕向けてくれている」のです。