10年来の仲という、倍賞千恵子さん(左)と吉永みち子さん(右)(撮影:清水朝子)
倍賞千恵子さんと吉永みち子さんは60代で意気投合して以来、10年来の仲。グループ旅行を楽しんだり、北海道にある倍賞さんの家で語り合ったりしています。「同じ景色を見て、同じことを考える」友達に思うことは(構成=篠藤ゆり 撮影=清水朝子)

初対面のあと、また会いたいと思った

吉永 千恵さんと知り合ったのは何年前だっけ?

倍賞 もう10年以上経つかな。

吉永 共通の知り合いが紹介してくれたんだよね。仲を取り持ってくれた人と私たちの間にいろいろあって、その人とはいつの間にか距離ができてしまったのが悲しいんだけど。そういう予測不可能なところが、人間関係の不思議なところでもあるのかなあ。

倍賞 私たちふたりは結局、気が合ったのかな。それと、これまでみっちゃんのような類の人と出会ってこなかったのも大きいかも。

吉永 どういう類よ。(笑)

倍賞 きちんと自分の意見を主張する人ってこと。私はあまり主張がないタイプだからものすごく惹かれたし、一緒にいると自分も意見を持ってちゃんと言わなきゃ、と思うの。目指す人に出会った、という感じかもしれない。

吉永 そんなこと言われると、くすぐったいなあ。

倍賞 出会ってすぐの頃だったかな。みっちゃんが書いた『気がつけば騎手の女房』を読んで感動したの。ここまで親子関係や家族をしっかり見据えて書けるなんてすごいなと思って。でも、実際に会って話すみっちゃんの印象は、本とまた違う。

吉永 どう違うの?

倍賞 頭のこっち側をポンと叩けば政治の話が出る。かと思えば、違うところを叩くと突然み屋の話が出てきたり。頭の中はどうなっているんだろうと思うくらい、いろいろなことが詰まってる。みっちゃんと話すと刺激になるの。

吉永 持ち上げすぎ!

倍賞 待って、続きがあるから。それでいてお酒んでいる時は、べらんめぇ調で「てめぇ、このヤロウ」とか言う。(笑)

吉永 アハハハ。私は口が悪いので有名だから。

倍賞 出会った人に惜しみなく愛を注ぐ人だってことはわかってる。私のこともいつも真剣に考えてくれるし。