夫の加根兼光さんと(撮影:本社写真部)
〈11月10日の『徹子の部屋』に登場!〉上品な着物姿で芸能人たちの作る俳句を一刀両断にする辛口の俳句指導者として、バラエティ番組でおなじみの夏井いつきさんですが、その素顔はあまり知られていません。地元・松山で結婚生活を送るも、43歳で離婚。その後、50代後半でブレイクするまでの日々は、再婚相手である現在の夫の存在なくしては語れないようです。 

もう一度結婚するなんて、冗談じゃない

いまから10年以上前、私は49歳で再婚しました。当時、私には23歳の娘と22歳の息子がいましたが、正直、まさか自分が再婚するなんて、想像もしていなかったのです。

43歳で離婚したとき、「あぁ、自由になった」と思いました。だから、二度と結婚するつもりはなかったのです。離婚にはものすごく負のエネルギーを使いましたし、姓が変わることによる膨大な手続きが面倒で、もう、こりごり。結婚さえしなければ、離婚する心配もありません。だから、もう一度結婚するなんて冗談じゃない、と思っていました。

それが、離婚してから2年くらいたった頃、大阪でCM制作やインターネット番組の企画をやっている人が、私に仕事の依頼をするため、松山にやってきました。それが後に夫となった加根兼光(けんこう)さんです。第一印象は、「いかにも“業界人”という感じやなぁ」。(笑)

企画内容は、作家の中島らもさんとの対談。私は中島らもさんに興味があったので、すぐにお引き受けしました。ところがそれから間もなく、らもさんがお亡くなりになり、その番組は幻となってしまったのです。後からわかったことですが、加根さんは私が選者を務めていた俳句のサイトに、「兼光」という俳号でよく投句していた方。熱心に投句してくるし、レベルが高かったので、名前は覚えていたのです。

それからしばらくして、私は仕事で三重に行くことがありました。台風が近づいているなか、翌日は松山での生放送が控えていたので、仕事を終えると早めに移動を開始。ところが、大阪までは戻れたものの、その先の四国に渡るすべての交通手段が止まっていたのです。強風のため橋も閉鎖されている。どうしたらいいのか、途方に暮れてしまいました。

まったくの偶然ですが、兼光さんはその日、別の仕事の件で、大阪から松山の私の事務所に電話をしていたのです。そのときに、私が大阪で立ち往生していることを知って──。宿の手配などを、急遽彼がサポートしてくれました。

結局、台風のために翌日の生放送に出る必要もなくなりました。宿泊先も確保できたし、急に心が楽になり、その晩、一緒に飲もうということになって。飲みながら、「えぇ人やなぁ、ありがたいなぁ」と思いましたが、そのときはそれ以上の感情があったわけではありませんでした。