イラスト:コーチはじめ
日本には墓を引き継ぐという慣習があります。しかし、時代とともに家族のかたちや価値観が多様化し、「供養」の選択肢も増えてきました。葬儀・お墓・終活コンサルタントの吉川美津子さんの解説で昨今のお墓事情を学びながら、先々のことを考えるヒントにしてみましょう。今回は新たな墓を建てたい場合に必要な知識です。(構成=村瀬素子 イラスト=コーチはじめ)

前記事で紹介したお墓の現状を把握したうえで、自分や家族に合った選択をしてください。その際、現地に足を運び、自分の目で確かめることを忘れずに。お墓は新しく建てるにも、別の場所に移すにも、さまざまな手続きが必要になります。ケースごとにみていきましょう。

【ケーススタディ・供養のかたち】
 ●新しいお墓を建てたい
 ●お墓を引き継ぎたい
 ●お墓の移動・墓じまいしたい

<ケーススタディ>
新しいお墓を建てたい

まず立地と予算を決めましょう。「市内の駅近で、100万円以内」が希望の場合、「市内の一般墓は予算オーバー、納骨堂にしよう」というように候補が絞られるからです。

また、宗旨宗派を確認し、一家のお墓にするのか個人のお墓にするのか、誰が承継していくのかを考えて選択を。特に一家のお墓の場合は、お墓を継ぐことになる子どもの意見を聞くとよいでしょう。