2023年1月8日、大相撲初場所が東京・両国国技館で始まった。先場所は阿炎の初優勝で幕を閉じたが、今場所はまたも横綱不在、見どころ満載の今場所は、どんな優勝争いが繰り広げられるのか?『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。

前回「大相撲初場所は、横綱不在で最上位の大関・貴景勝と4関脇、4小結とのバトルに期待!関取に戻ってきたぞ、元大関・朝乃山」はこちら

2年前の初場所の優勝を思い出させる

大相撲初場所は中日を終え、幕内は土俵上の力士も、観戦する人も、血圧が上昇するような突き押しの熱戦が連日続き、大相撲の魅力は力士同士の気迫なのだと再確認した。
1敗は大関・貴景勝と前頭13枚目・琴勝峰。2敗は関脇・豊昇龍、前頭筆頭・大栄翔ら平幕の阿武咲、碧山、東龍、宝富士の6人。

横綱・照ノ富士の休場の寂しさを忘れさせるような気迫の相撲を貴景勝が取っている。貴景勝は7日目は前頭3枚目・翠富士と、8日目は前頭4枚目・錦富士と、強烈な突き押し、張り手の攻防をみせ、連日、盛大な拍手と観客のマスクごしの歓声を浴びた。

貴景勝からは優勝して良い成績で横綱昇進を果たしたい、という強い気持ちが伝わってくる。しかし、対戦相手は思いっきり来るから、今後も取りこぼしに最大の注意が必要だ。貴景勝は中日まで、連日、口の中を切って流血。ちゃんこが食べられないのではないかと心配していたら、その後の取組は鼻血に切り変わった。厳しい世界だ。

先場所優勝した、前頭3枚目・阿炎は「俺やっちゃうもんね」という伸び伸びとした気迫を見せて、初日から5連勝したが、6日目から3連敗。

大関を狙う豊昇龍は、先場所後半に崩れた悔しさを、初場所で対戦相手にぶつけているような気迫を見せていたが、5日目と6日目に連敗した。

大栄翔は、勝つ時は気合い炸裂の突き押しをみせ、「小結に絶対復帰するぞ。オラオラどけ!」という感じ。2年前の初場所の優勝を思い出させる。