人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

「今日と同じ明日が来る」と思わない

自分の足元の幸せには気づかず、「幸せは遠くにある」「幸せはどこかにある」と探し求めてしまうのが人間のようです。

メーテルリンクの『青い鳥』を知っているでしょう。チルチルとミチルの兄妹が夢の中で、過去や未来の国に幸せの青い鳥を探しに行きます。

どこの国にも青い鳥はいるのですが、鳥かごに入れて帰ろうとすると、すぐに死んでしまったり、青い色が灰色に変わってしまいます。

ところが、わが家に帰ってみると以前から家にいた鳥が青い色に変わっている……。幸せの青い鳥はわが家にいたのでした。

物語はここで終わり、幸せが自分の手の中にあると気づけば、いまのままでも幸せになれるということを教える話とされています。