結婚しない私の一番って、なんだろう

でも、ルームシェアは解消になった。1回目は期間限定の居候だったから契約満了で。2回目は相手の結婚を機に解消。この年齢になってくると、同世代の友人とのルームシェアはとても難しい。みんな結婚に向かうからだ。友人とのルームシェアは婚期が遅れる、なんていうし、ルームシェアしていると家に彼氏も呼べない。2人用の部屋を借りるにしても、結婚で出て行くかもしれないとなると、共有の家具をどうするか、アパートを2年で更新するのかとか、いろんな問題が出てくる。

結婚に関する価値観が多様になってきている、なんていうけれど、周りを見渡せば大多数が25~27歳あたりで一斉に結婚、出産した。まだの人はマッチングアプリに登録して結婚に前向きに向かっている。それを見ると、自分がどれだけマイノリティなのかを思い知らされる。

『死にそうだけど生きてます』(著:ヒオカ/CCCメディアハウス)

深田恭子演じる主人公の結婚で最終回を迎えたドラマ『18/40』(TBS)では、女性同士のルームシェアが描かれた。未婚で子どもを産んだばかりの18歳と、バリキャリの40歳が子育てを協力し合い、お互い今の暮らしが好きだと言い切れるほど気に入っている。でも、40歳の女性の結婚を機に、同居はあっさり解消するのだ。結婚しない人からしたら永遠を望むルームシェアであったとしても、結婚を目指す人からしたら結婚までの繋ぎ、かりそめに他ならない。結婚に勝る関係などない。結婚とはこの世のあらゆる関係の中の最上位なのだ。結婚するとどんなときも配偶者との関係が優先されるようになる。

それ自体はべつに自然なことかもしれない。でも、そうなると、結婚しない人は、同じように結婚する可能性のない人としか同居は成立しない、ということなのかもしれない。恋愛や結婚を介さずに家族になるなんて、そんなこと、果たしてできるんだろうか。結婚したひとたちにはみんなパートナー、子どもといった「一番」と呼べる人がいる。では、結婚しない私の一番って、なんだろう。ずっと誰かの一番にはなれないんだ。そんなことを思ったりする。