お互いに仕事も家事も

夫婦生活が円満に持続、発展するには、双方が教養によって互いの人格を美しく、清く、高くしようと努力し続けることです。

また、夫婦がともに何らかの職業に就いて労働することも大切です。

夫婦が共に働いて衣食を支え、苦楽をともにすることは、夫婦の愛を、緊張感のあるよい関係にすると思います。

そして、家庭におけるすべてのことを夫婦が協力し、分担するのがよいでしょう。

『与謝野晶子 愛と理性の言葉』(著:与謝野晶子・松村由利子/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

夫が外の仕事、妻が内の仕事、というふうに分かれていないことが、夫婦の愛をいっそう濃密にする一つの大きな力になると思います。

夫婦生活を持続していくには、こうした努力が絶えず必要です。

恋愛から出発したからといって、夫婦生活は決して順風の航海ばかりではありません。

「夫婦愛を濃密にする努力」(『婦人倶楽部』一九二五年一月)