夫婦は毎日が愛の創作

私たちは昨日の恋愛をそのままに静止させ、その上に塗りかためて、「永久不変の愛」というようなものに寄りかかっているのではありません。

常に二人の愛が進化し続けることを祈っているのです。

それでなければ、昨日の恋愛は心の化石であり、退屈と苦痛とを感じないではいられないでしょう。

私の実感に基づけば、「夫婦は毎日毎日愛の創作をしているのだ」と言いたいのです。

「愛の創作」(『愛の創作』より)

 

※本稿は、『与謝野晶子 愛と理性の言葉』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。


与謝野晶子 愛と理性の言葉』(著:与謝野晶子・松村由利子/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

近代歌壇を代表する歌人で『みだれ髪』や『君死にたまふことなかれ』などで知られる与謝野晶子は、文学の世界のみならず、社会評論の世界でも活躍しました。

晶子が書いた15冊の評論集の中から、選りすぐりの言葉たちと、晶子の歌や詩を織り交ぜながら「学ぶこと」「働くこと」「人生」「愛」「自由」などのテーマごとに読みやすく、わかりやすくまとめました。