愛情は変化し進化する
人間の心は、感情においても理性においても、幼年から少年へ、少年から大人へと、次第に移ってゆきます。
数千年の間に文化生活を築きあげてきた人間は、少しずつよい方向へ行っているのだと思います。人間は進化するものです。
花の趣味にしても、食事や衣服の好みにしても、少年少女のときから一生の間に何度変わるかわかりません。
それでこそ、人間の生活には進歩があるのです。
自分の結婚生活をかえりみると、二十年間にどれほど多く愛情が変化してきたことだろうと思います。
最初のころの恋愛が続くわけではなく、夫婦で絶えず二人の愛情に新しい生気を吹き込み、壊しては立て直し、鍛え、深めるよう努力してきました。
毎日毎日、新たな愛の生活を築きあげる試みをしてきたのです。
「愛の創作」(『愛の創作』より)