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同じ親から生まれたのに、どうしてこうも違うのか? 自分だけならまだしも、子どもまでが比較され……。きょうだいや親族からとの格差に悩まされてきた3人に話を聞いた。2人目のサエコさん(仮名)の悩みの種は、立派すぎる従兄妹の存在だそうで……。(取材・文=島内晴美)

セレブな話題についていけない

頭がよくて、容姿端麗、性格も穏やか、親戚付き合いもそつなくこなす立派な従兄妹たち。幼い頃は分け隔てなく遊んでいたのに、どこに分かれ目があったのか。

「私の父とその兄である伯父は2人とも元高級官僚。でも従兄も従妹も東大へ行ったのに、私は三流私大。勉強も努力も嫌いだから、こうなることは早々にわかっていたけれど、親戚中から『どうしてかしらねえ』という目で見られているようでつらい」

サエコさん(42歳)の悩みは、立派すぎる従兄妹の存在らしい。サエコさんは大学卒業後に美術系の専門学校に入り直し、イラストレーターとして独り立ちしているのに、なぜだろう。

「父も伯父もそれなりの役職まで昇進し、定年まで勤め上げました。父は5年前に亡くなったのですが、83歳の伯父は今もかくしゃくとしています。従兄は東大を出て官庁に入り、まあまあ出世しているし、従妹のほうは外資系の大手会計事務所に就職して、アメリカ人と結婚。今はニューヨーク在住です。私はと言えば、職場を兼ねたワンルームマンションで、ひとり髪を振り乱しながら締め切りに追われているわけですから、母も肩身が狭いようです」

お正月にはニューヨークから帰国した従妹も交えて会食をするのだが、話題はロンドン駐在中のエピソードやニューヨークの最新モード、子どものお受験に有名人の噂話。英語は飛び交うし、セレブな話題にもついていけないサエコさん。

「従兄のお嫁さんは私と同い年なのですが、帰国子女で美人。私の着ている服とは金額が一桁違うブランドものの洋服を優雅に着こなしていて、気おくれしてしまう」