2022年5月8日、東京・両国国技館で開幕した大相撲夏場所。「大関と横綱の優勝争いを」と期待するファンも多い中、中日を終え、横綱と大関が揃って勝ったのは1日だけという大混戦。『婦人公論』愛読者で相撲をこよなく愛する「しろぼしマーサ」が今場所もテレビ観戦記を綴ります。

「大相撲夏場所。横綱と大関陣で勝ったのは御嶽海だけ。熱戦への期待が心配に変わった初日」はこちら
 

大関への重圧か、対戦相手の研究か…

大相撲夏場所は中日8日目を終え、休場明けの横綱・照ノ富士は、押し相撲の小結・大栄翔と前頭3枚目・玉鷲に敗れ、中日には前頭4枚目・隆の勝に初金星を与えてしまった。照ノ富士は膝の調子が悪そうで足の踏ん張りがきかず、上体の力だけで相撲を取っているようで心配だ。

横綱と3大関の御嶽海、正代、貴景勝の4人が揃って勝ったのは4日目だけ。
御嶽海は2日目の相撲で右大胸筋の上あたりを痛めたようで4勝4敗。正代は立合いの姿勢が悪くて2勝6敗。貴景勝は強い時と弱い時の差があり5勝3敗だ。

先場所優勝して大関への期待がかかった関脇・若隆景は3勝5敗。本人が大関を意識して固くなっている以上に、対戦相手が研究しているから簡単には勝てない。後半に強さが蘇って欲しい。最も悲しいのが、先場所、若隆景と優勝決定戦をして敗れた前頭筆頭・高安。合同稽古で積極的にやっているのをテレビで見て、めげずに偉いと思ったが2勝6敗だ。

上位力士の崩れや期待の力士の連敗がストレスになる相撲ファンのために、新しい相撲観戦の方法を考えた。力士がインタビューでよく「一日一番、集中して頑張ります」と言うのを、ストレスにめげそうな相撲ファンもやるのだ。

「各力士の相撲を一日一番、集中して見ます」という方法だ。「連勝して欲しい」とか、「優勝して欲しい」とか考えずに、本日の一番に集中する。星取表の白星と黒星を超越し、「新感覚の相撲観戦」である。千秋楽を終えて「そうだったのか」としみじみするのである。

両国国技館の幟。奥には東京スカイツリーが見える(撮影◎しろぼしさん)