NHK連続テレビ小説「ブギウギ」でヒロインを演じた趣里は、「歌も踊りも一生懸命に演じている姿は視聴者に感動を与えた」として「橋田賞新人賞」に選出された。

「お芝に歌、踊り、そして関西弁と始めは『どないすんねん』って感じでした」と話すも、撮了から約2ヵ月経過した今も「無事に関西弁がまだ抜けずにおります」と明かす。「朝ドラ1年の撮影ではエンターテイメントの力を信じ、視聴者のみなさんに支えられて走り抜けられ、人生の財産になりました。これからもこの賞に恥じぬよう人と人との繋がりを大事にして歩んでいけたら」と気を引き締めた。

新人賞を受賞した趣里さん

また、長年放送業界に貢献してきた功績に対し「特別橋本賞」を贈られた井上順は、「受賞された素敵なみなさまとご一緒の席でうれしく思っております」と、ステージ上で受賞者に拍手を送るおちゃめな一幕も。「私は出会いによって育てていただきました。橋田壽賀子先生もその一人です。橋田先生が書いたドラマや舞台に多く出させてもらい、プライベートでは美味しいご飯を食べました。橋田先生、素敵な賞をちょうだいしました」と亡き橋田さんに語りかけるように思いを伝える。

相葉さんと談笑する井上順さん。授賞式も自ら盛り上げるベテランの気遣いを見せた

続けて、石井ふく子氏を「大恩人」とし、「もう半世紀以上のお付き合い。石井さんには温かい愛情をたくさんちょうだいしました。いま僕がここにいることも石井さんの愛情のおかげ。石井さん、うれしい。とってもうれしいよ」と会場にいる石井氏と目を合わせ、感謝を伝えていた。

女優の北川景子は、大河ドラマ『どうする家康』のお市の方とその娘、茶々の2役の迫真の演技、また『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』で見せた演技の幅広さと、長年にわたる活躍に対して」受賞した。

大河ドラマの撮影は、長期にわたる撮影と子育ての両立が不安だったという。演技については「自分にしかできない表現がなんであるかは、言葉にするととても難しいのですが、自分の娘や息子がいつかわかるようになった時に、これが自分のお母さんなんだと誇れるような表現をしたいと思って頑張ってきました」と真摯に語る。

時代は違えど、命懸けで娘や息子を育てた母親だったお市と茶々を演じ「その2人から大きな励みをいただいて、私も強くなれたような気がします」と母としての一面を見せた。

第二子出産後初の公の場になった北川さん

 

一般財団法人橋田文化財団が主催する「橋田賞」は、1993年に創設。日本人の心、人と人とのふれあいを温かくとりあげ、広く支持された作品や人物に対して贈られる。「第32回 橋田賞」受賞者および受賞作品は下記の通り。なお、大賞は該当なしだった。

授賞者のみなさんで

◆橋田賞
『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ)
『ひとりぼっち―人と人をつなぐ愛の物語―』(TBS)
連続テレビ小説『らんまん』(NHK)
相葉雅紀
神木隆之介
北川景子
バカリズム
大下容子

◆橋田賞新人賞
浜辺美波
趣里

◆橋田賞特別賞
井上順

◆野村昭子賞
大方斐紗子

▼橋田賞新人脚本賞
安達あづさ
平木建典
三谷武史