<前回のあらすじ>
情報番組のディレクター・万琴は、世間をにぎわせている連続殺人【ホルスの目殺人事件】の取材現場で、週刊誌の有名ライター・浩暉と出会った。
スクープのためなら手段を選ばない浩暉のやり方に反発する万琴。しかし、そのジャーナリストとしての信念に触れ、心を開き始める。
その矢先、ホテルで目を覚ました万琴の目の前には、浩暉が…!
驚く万琴だが、実際は、寝ぼけた万琴が浩暉に水をぶちまけ、添い寝していただけだった。うろたえる万琴を面白そうにからかう浩暉。
【ホルスの目殺人事件】を捜査中の刑事・正聖と大和田(猫背椿さん)は、現場に残された靴跡から、犯人の履いていたスニーカーを特定。しかし、大量生産された人気モデルのため、犯人の割り出しに難航する。
警察署の前で張り込み取材をする浩暉と出くわした2人は、浩暉の履いているスニーカーが犯人と同じものだと気付き…。
一方その頃、浩暉はひとり夜道を歩きながら、舞い散る桜の花びらを見て、過去の記憶を思い出していた。――桜の木の下で花びらをキャッチしている少女の記憶――血まみれの浩暉の傍らで、壁にもたれて息絶えている女性の記憶――。
そんな中、万琴の番組では、【ホルスの目殺人事件】の独自取材を強化することが決定。万琴は総合演出の野田(田中哲司さん)から専属取材班のチーフに抜擢され、「絶対に遺族のコメントを撮って来い」とプレッシャーをかけられてしまう。
もともと遺族インタビューが苦手な万琴は、憂鬱な気分で4人目の被害者・花邑百合子の家へ向かう。
取材拒否の意思を示している遺族は居場所さえ分からない。現場に現れた浩暉は、ドギマギする万琴を楽しそうにからかいながらも、取材に協力する。
花邑百合子の通夜に参列後、浩暉と万琴に、百合子の両親から取材許可が下りる。実は2人は、香典袋にそれぞれ手紙を添えていたのだ。万琴は遺族の取材に悩む正直な気持ちをしたため、浩暉は犯人への憤りを手紙に綴っていた。そんな2人の思いが両親に届いたのだ。
インタビューに応じてくれた両親の思いに、万琴は取材したVTRを徹夜で編集。野田も「やりゃー出来んじゃん」と満足げ。しかし、本番直前、芸能界のビッグニュースが飛び込んできて、万琴のVTRは放送できなくなってしまう。
猛反発する万琴に、野田は「ネタは鮮度が命なんだよ!」。一方の浩暉も、朝までかかって原稿を書き終えたにもかかわらず、記事の掲載を延期されてしまう…。
浩暉と万琴は花邑家に足を運んで百合子の両親に謝罪。他のニュースに埋もれないタイミングで改めて放送、掲載したいと伝えるが、百合子の両親は「埋もれるって…あの子の死は、そんなに軽いですか?」。返す言葉のない2人に、百合子の両親は心を閉ざしてしまう。
帰り道。先に涙を流したのは、浩暉の方だった。「なんだよな、埋もれるって……」。そう言いながら肩を震わせて泣く浩暉を見て、万琴の目にも涙があふれ…。
泣きながら抱き締め合い、自然とキスを交わす浩暉と万琴。2人はそのまま万琴のマンションで互いを求め合い…。
一方正聖と大和田は、花邑家近くの自販機のカメラに映っていた車の持ち主に接触。しかし、事件当日のドライブレコーダーの映像は消されていた。
「おかしいな。おととい、記者の人に見せた時は、ちゃんと見られたのに」と、その記者の名刺を取り出す。記者の名前は、設楽浩暉――!